蜜は甘いとは限らない。【完】




そしてあたしは俺様で、いつも意味の分からないこの男のことが、




「あたしはアンタが大っ嫌いだと言ったはずだけど?」



大が付くほどに嫌いだ。



「あ?知らねぇなぁ、そんなの」




...あぁ駄目だ、キレそう。本当やだ。

あたしこの男のせいでイライラしすぎでハゲるんじゃない?


最近は睡眠時間も削られてるし。




はぁ、とついた溜め息の後、誰も話さなくなった車は当たり前のようにあたしの隣にいる男の家に着いた。




“寺島組”




無駄に大きい木の門の所にある、今はもう見慣れてしまった表札の文字が目に入る。


......また来てしまった。





「ほら、今日も頑張れよ。
家・政・婦さんっ」

「あたしは家政婦じゃない!」



ほんとアイツいつか殺る!!!


車から降りたあたしたちは家の中に入る。



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