蜜は甘いとは限らない。【完】



「あは、ごめんって。
でもここの奴ら丈夫だし、この部屋はこうやって体鍛える所だから」

「そんな問題じゃないっ」




頭の後ろで手を組み笑う葵の頭に手加減無しに手刀を落とす。


手刀をくらって痛い、と悶える葵を無視して倒れている人の手当に向かう。




「いつもごめんね、大丈夫?」

「いっつ......悪い姐さん。
葵のやつ、また強くなってるぞ」

「大丈夫、まだあたしに葵は勝てないから。
てか一生勝たせるつもりないし」

「さすが...いっっ」

「...近すぎ。離れろ」




見事に拳が当たったのか、額がぱっくり割れていたからそこにハンカチを当てて止血していると、後ろから来た馬鹿が意味の分からないことを言いながらあたしの体を押した。




...普通、そこは引っ張るんじゃないの?



結構強い力で押され、倒れた体を起こして睨む。




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