絶体絶命!死のバトル
英語のテストで、広也が椅子に。
広也も順調に、時々止まりながらでも、進んでる。
頑張れ、広也…。
頬に何か、温かい物が伝った。
…触れなくても分かる。
これが、なんなのか。
なんで、あたしは泣いているんだろう。
何も、悲しくなんかないのに。
頬を伝う涙は、止めどなく溢れ出てくる。
「…道香。…道香も?」
後ろから明日美が来て、あたしの肩をポン、と叩いた。
その明日美の頬にも、涙が流れていた。
「なんか…、流れるね。解放される!っていう涙が無意識に流れてるのかな…?」
「無意識に?…かもね。こんな感情のない涙、初めて。」
そして、広也が戻って来る。
広也は、あたし達を見て驚いているけど、広也の目も、赤く充血していた。
「行って来るね。」
「頑張れ。」
「しっかりな。」
「落ち着いてね。」
三人から、エール、貰っちゃった。
これなら、きっと、頑張れるね。
理科のテストも順調。
国語のテストもサクサク解けた。
…大丈夫。
きっと、…勝てるよね。