絶体絶命!死のバトル
皆の所に戻ると、明日美は移動しはじめていた。
「明日美っ!ファイトっ!」
あたしが叫ぶと、明日美はニコッと笑ってみせた。
なんか、時間が経つのが早く感じるな。
…最後だから?
…緊張、しっぱなしだから?
「…道香。あのさ。」
「ん?何?」
広也が真剣な表情であたしを見る。
真っ直ぐにあたしの瞳を捉えた広也の瞳は、とても澄み切っていて、吸い込まれてしまいそうだった。
「…お前さ。……好きな奴……とか、いんの?」
「…ふえっ!?」
…な、な、な、何!?
何でそんな事聞くの!?
「…いるのか……?」
広也の漆黒の瞳が、あたしに、訴えかけているようで。
「……い、いるよ……。」
この言葉を口にした瞬間。
‘‘好き”が、急に溢れ出す。
「へぇ…。どんな奴?」
広也だよ。
広也が好きなんだよ。
「優しくて…、頼りがいがあって。でもたまに臆病なの。…一緒にいると、本当に幸せで。そんな気持ちに、自然とさせてくれる様な…。そんな人だよ。」
…こんな人なんだよ、広也は。
あたしが、大好きな広也は。