魔法のハンドクリーム
また少量のハンドクリームを手に取って千陽の手に塗ってあげると嬉しそうにピョンピョンと飛び跳ねる。



あたしも塗ろう。手に取りゆっくりとそれを滑らせると魔法がかかったかのようにあたしのカサカサで赤切れでボロボロの手が綺麗になっていく。


うん、やっぱりいい香り。



「それ、買わないの?」
「うん。だって高いもん」
「いいじゃん、ちょっとくらい。俺が買ってあげるよ」



試供品を棚に直し、その場を後にしようとすると新しい商品を大翔が手に取りレジに持っていく。


いいよと言って断るのに自分の財布からお金を出してハンドクリームを買ってくれた。



「はい、藍子。ちょっと遅くなったけどクリスマスプレゼント。いつもありがとう」
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