★短編集★
普段、あまり話さない
野々上先生と話せて楽しかった。


「へぇ~


あいつが柿沢のことを
好きだったなんて
全然知らなかったぜ」


話した内容には
さっきのことも含まれている。


「俺もさっき知ったよ」


眉を下げて苦笑いな春也。

「けど、あいにく
俺は女に興味が
ないんでね
どっちにしても
あの子の気持ちには
応えられたかったんだよ」


そう、俺も春也も
女を愛せない……


「そうなのか、
お前らのことを
知れて嬉しいよ」


野々上先生は
軽蔑しないんだな。


「改めて言うのも
なんだか変な気が
するが、これからも
仲良くしてくれ」


面白い先生だ。


今日はこれで
解散ってことになり
来た時と同じ様に
野々上先生の車で
春也ん家まで
送ってもらった。


「また明日な」


そう言って、
帰って行った。


次の日、
部室は片付いていたから
まぁいいかと思った。


(完)
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