【完】籠球ロマンティック
隣にいる恋夜は、連日の律子の異変に対して何も聞いてこない。


普段と何も変わらない態度で、気を遣っている風でもなく、ただ一緒にいて、ピザまんを頬張っているだけだ。


「ねぇレン、レンは、何も聞かないんだね」


律子も肉まんを、恋夜と同じように袋を折って出しながら尋ねると、恋夜は律子の方に首を向ける。


「知りてぇけど聞かねーよ。あんたがああなるって相当だろ?話したくねっしょ?俺だって、自分からペラペラ話したくないこともある」


その言葉に、律子の心は救いを見つけたようだった。


『知りたい』けどあえて『聞かない』と言った恋夜が、やはり初めて見たあの日から変わらずキラキラした存在だと感じれたからだ。


「じゃあ、聞いてくれる?私の話、レンにだったら、知られてもいい」


それは、律子の隠したい汚い部分であり、兄である逸人と律子の、大事な絆の過去。
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