イジワル上司に恋をして
「はぁ」と肩を撫で下ろすと、さっきの続きを考える。
連休。わたしは変わらずシフトだけど、どこかでは休みが当たるはず。
西嶋さんは、確か基本カレンダー通りだったみたいだから、普通に連休なんだよね。
そうしたら、やっぱりどこかへ二人で出掛けよう……ってことになるのかな? いや、なるんだよね。
彼氏彼女って、そういうものだもんね。
そういうの、飽きるほど想像してきたはずなのに。
壁に掛かっているカレンダーをじっと見て、浮足立つはずのことなのに、どうも素直に楽しみでいられない自分。
これって、なんだろ。今日あんまり寝てないから、テンションも上がらないのかな。
いつの間にか誰もいなくなったロッカー室で、微動だにせずカレンダーと向き合うわたし。
そして、今月末……明日の赤色の数字を眺めてドキッとする。
その〝ドキッ〟は、色恋の方じゃなく――。
「やっ……バい!」
バン! とロッカーを閉め、パタパタと先を急ぐ。
任され始めた発注……! メーカー休業日、それぞれ違うけど、どっちにしても昨日し忘れたからマズイ!
今日、メーカーの営業時間中に注文しなきゃ! いつも夕方から閉店後に掛けてやってるのを、今日はすぐにしなくちゃ危ない!
21階のロッカー室からエレベーターを急かすようにボタンで呼び、扉が開くとするりと乗り込む。
カチッカチッと何度も『閉』を押し、エレベーターが下降し始めてようやく手を離す。
……ああっ。それもこれも、昨日、アイツが医務室になんか連れて――。