幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「みのり!ここを抜けたら近道だって言ってた気がするからこっちから帰ろう!」
「うん!」
響く雨音の中、自転車に乗りながら言葉を交わし、あたし達は来た時の道とは別の道へと進んでいく。
とにかく早く帰りたい。
ただただ怖かった。
流れてくる雨がどんどん目に入ってくる。
そして、視界を遮るそれを拭おうとした…その時だった。
ドーン!というような爆音がすぐ近くで響いた。
目に入ってくる雨が気になりながら、私は両手でギュッとハンドルを握り直し、また鳴り響いた音にビクッと肩をすくめた。
知らない道を通っているせいか、いつになったら帰れるのかという不安が一気に押し寄せてきて。
スピードをあげた。
とにかく必死で自転車を漕いだ。
だけど…