ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
美玲がいうには、由良は魔法屋の方で働いているらしい。

そしてそこに向かっているのだが、一歩一歩近づくほどに、緊張して胸が痛む。

どこまで女々しいんだと自分でも笑ってしまう。


だけど、好きになってしまったんだ。仕方ない。それに、こういう風に由良を想う自分は、女々しいけれど、嫌いじゃない。




そうこうしているうちに"ガーネット"の店の前に着いてしまった。

一度深呼吸して、店の扉を開けた。


「…こんにちは」

カランコロン、と軽やかな音が鳴り響く。


すると店の奥から

「こんにちは、いらっしゃいませ」

聞きたくて仕方なかった、あの声が聞こえてきた。

不覚にも涙腺が緩みかけた。


そして、一歩一歩ゆっくりと、会いたかった人の元へと足を進める。

コツコツと小刻みのいい靴の音が歴史を感じる店内に響き渡る。



「いえ…今日は貴方にお会いしたくて」


全ては出会った日からずっと壊れないように守ってきた感情を、大切な人に伝えるため。

その為に今俺はここにいる。



「え?あたし、ですか…?」

戸惑う由良の声がする。


店の奥に入るにつれ、次第に明るくなり、声だけではない。ちゃんと由良の顔が見えた。
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