クローバーの起こしたキセキ





「聞こえてたか・・・・・。
誰にも気づかれないように、言ったつもりだったんだけど・・・・・」




海原君は驚きもせずに言う。




「もう嫌になったの?生きていることが。
辛いの?苦しいの?・・・・・もしそうなんだったら私に言ってよ。
絶対に海原君をそんな気持ちにはしないから、なったとしても私が引きずりあげるから。
だから、ね?お願い・・・・・そんな悲しいこと言わないで・・・・・」




今まで知らなかった、私がこんなに涙もろいなんて。
もっと強い人間だって、自分で思い込んでた。
海原君と出会う前、最後に涙を流したのはいつだっただろうか。
覚えていない。
海原君はそれほど私に安心感をもたらしてくれる人なのかな・・・・・。




「わかった・・・・・」




寂しそうに言う。
前に何かの本で読んだことがある。
人間は死を目の前に突きつけられると、泣くか、怒るか、自殺するって。
死を目の前にして嬉しがって笑う人なんて、まともじゃないよね。
私が海原君に笑って欲しいと願うのは、間違いなのかな・・・・・?




「なぁ、麻美。
一つ前から聞きたいことがあったんだけどいいか?」




唐突にそんなことを言い出した。
無言のままであるよりはいいからOKを出す。



「クローバーの君って、誰?」




なんで知ってるんですか???
頭の中が一瞬でハテナマークで埋め尽くされる。
私どっかで口を滑らせたんだ、思い出せ、思い出せ私!!




「病院で俺に全部思い出したって言いに来た時、クローバーの君も、って言ってたよな?」






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