クローバーの起こしたキセキ
ごめんごめんと舌を出して謝る童君。
私は六時になる三分前に来たのに童君は結構前に来てたみたい。
フロントに座り込んでた。
「ここだよ、童君がノックして」
コンコン
「麻美か?」
「うん、入っていい?」
あぁ、と言う承諾を得て私は病室へ入る。
童君も海原君の声だと気付き、少し躊躇してたけど結局は入ってきた。
「・・・・・っっっっ。
童、何でこの街に居るんだ・・・・・」
私が来た時と同じようなセリフ。
でもあの時のような強い拒絶は見えない。
それは少し落ち着いて居るせいなのか、それとも童君だからなのか。
「今日引っ越しして来たんだ、辰也お前は高校どこ?何で病院に?」
疑問が溢れてくるのか、質問が絶えない。
童君も海原君に見た目は傷を負っているところは見えないから、入院しているのは病気だと悟って居るはず。
「・・・・・麻美、少しだけ外で待っててくれるか?童と二人で話したいことがあるんだ」
童君も二人で話したいと言う気持ちがあるみたい、私をじっと見ている。
頷いて、病室から出る。
二人が険悪な雰囲気になってケンカするということだけはなって欲しくない。
二人とも出会って日が浅いけど、私の大切な友達だから。