クローバーの起こしたキセキ





〜海原 辰也said〜




「童、お前がした質問は誰でも抱くよな。
一つ目、俺も夢星高校だ。
まぁだったという方が当てはまるけどな」




俺が言った言葉に童はさらに理解不能になったらしい。
また口を開く。




「じゃあ今はどこにかよ・・・・・」




最後まで言わせずに、俺はもう一つの質問に答える。
できるだけ無感情に、俺が悲しんでいることを悟られないように。




「二つ目は俺が病気だからだ。
風邪とかインフルエンザとかワクチンや薬で治る軽い病気じゃない。
確実に死んでしまう不治の病。
他に質問はないか?いっぺんに答えた方が楽だからな」




童は俺の話を聞いてかなりの衝撃を受けたようだ。
唇の先がわなないている。




「なんで・・・・・なんでお前はそんなに他人事のように言えるんだ・・・・・。
辛く、ねぇのか?」




童が発した言葉につい声が低くなる。
わざとじゃないってことは分かっているのに歯止めが効かない。




「辛くねぇのか、だと?ふざけるな・・・・・。
俺がいつから苦しんでると思ってるんだ、他の奴らは幸せいっぱいに育って行くのを俺はただ眺めていながら病院で治療を受けてた。
・・・・・辛ぇよ!こんな俺に見返りなんて求めず、同情もしない友達なんてできないと思ってた。
ボロボロだった俺に手を差し伸べてくれた麻美・・・・・。
そんな麻美も俺は置いてかなくちゃならねぇ・・・・・。
こんな体じゃなければってずっとずっと悩んだんだ、辛いなんて言葉じゃ言い表せないほど辛いんだ!!」




こんなのただの八つ当たり。
分かってる、分かってる。
俺は始めて俺を友達と見なしてくれた奴に何を言ってるんだ。
やめろ、やめろ・・・・・!!






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