クローバーの起こしたキセキ
「健康体でなに不自由なく過ごしてきたお前なんかに・・・・・俺の苦しみが分かってたまるか!」
やってしまった・・・・・。
息が上がる、興奮しすぎた。
これでもう、童は俺の元から去って行ってしまうだろう。
でもそれでいいんだ。
わりぃ、童・・・・・。
こんなつもりはなかったんだ・・・・・。
「・・・・・たしかに、たしかに病気も何もない俺はお前の苦しみは分からない。
でも、だからってそんなに声を張り上げて何が変わるんだ!?何も変わらねぇだろ、じゃあ最後までもがいてもがいてもがきまくれ!そして後悔無く生きるんだ。
それがお前にできる唯一のことだ、そうだろ?辰也・・・・・」
普段はこんなに声を荒げる奴じゃねぇのに・・・・・。
童が言った言葉は俺が自分で自ら凍らせた俺の心を少し溶かした。
麻美と童・・・・・。
俺は幸せ者だな、最高の友達を持って。
「あっ、辰也笑った!そんな顔して笑うんだ、結構かわいい・・・・・」
突然そんなことを言われて俺は童に聞く。
「俺、今笑えてるのか・・・・・?」
うん、と童も笑顔で頷く。
また俺が笑えるようになるとは思ってなかった。
恥ずかしいし照れくさい。
しかし次に童が言った言葉にそんな気持ちは吹き飛んで行った。
「あ、そうだ辰也聞いてー。
麻美って可愛いよね、俺惚れたわ」
「・・・・・い、いいんじゃねぇか?」