クローバーの起こしたキセキ
「何に気付かないって言ってるの?」
朝になって私はもういないであろう声の主に向かって呟く。
いったい何に気づかないと言っているのだろうか。
「プロフィール、確かここにあったはず・・・・・。
あった。
一週間後、これ渡せばいっか」
私は引き出しを探り、音符がモチーフのプロフィールを取り出す。
これ買ったのが中3の時だから、まだクローバーにハマる前だったんだよね。
だから音符模様。
今日は朝ごはん食べなくてもいいや、食欲ないし。
そう思って、制服に着替えて玄関へ向かおうとする。
「もう行くのか、はやいなー。
いってらー」
しかし、この声によって私はユーターンしダイニングへと向かう。
そこには新聞を手に持ちコーヒーをすすってリラックスしている伊藤先生が居た。
「ななななな、なんで!?幻覚、幻覚なの?」
目をゴシゴシこすってみるけどまだ消えない。
ならば、と思い伊藤先生に近づいて行き腕を思いっきりつねる。
幻覚なんだから悲鳴なんてあげるわけ・・・・・。
「痛い痛い痛い!!暴力反対、離せ痛い!!!」
あげた。
なんでどうして本物?