クローバーの起こしたキセキ
どうして外に出たのか。
何をしに行ったのか。
いつ事故にあったのか。
海原君は助かるのか。
海原君、海原君、海原君、お願い無事に回復してよ海原君・・・・・!
ふっと手術中の赤いランプが消えた。
そのことが手術が終わったことを知らせるということを誰でも知っていると思う。
私は医師が出てきて笑顔で、手術は成功しましたと言ってくれるのを期待した。
だけど出てきた医師の顔に刻まれていたのは苦渋の表情だった。
意識がどん底に落ちて行くのが分かった。
開いたドアからピーという無機質な音が聞こえてくる。
「辰也君はギリギリの状況です。
生死の境、ではありません。
着々と死の世界へと向かっていますがまだ生きています。
・・・・・持って十分ですが、話かけてみますか?」
私はその言葉でばっと顔を上げ、まだ生きているということ、そして海原君が最後の闘いをしていることを噛み締めた。
よく耳を澄ませば、ピーピッピーピッとかすかだけど心臓が動いているということが聞き取れる。