クローバーの起こしたキセキ








「お母さん!次あのお店入りたい!!」







「よーし、いろんなもの見ちゃうわよー!」




今日は、土曜日。
私たちは今、新しくできたものすっ・・・・・・ごくでかいデパートに来ている。






「きゃぁぁぁ、あのネックレスちょーかわいい♪」






「麻美、こっちのブレスレットもきれいよぉ!うっとりしちゃうわ・・・」






片っ端から店という店に入り騒ぎ立て、挙げ句なにも買わずに文句やら賞賛やらを勝手に言っていたあたしたちは、店員さんはもちろん、他のお客さんにも迷惑という顔を浮かべられた。






まぁ、当たり前の反応だけど。






「さぁ、そろそろ帰りましょうか」







「はーい!」






ほぼ全てのお店を見た私たちは満足し、帰ろうとした。
と、そのとき。






「お母さん!?どうしたの!?」





お母さんが急に、バタッと倒れた。
焦ってスマホを取り出すが、救急車を呼ぶ番号が思い出せない。






私がパニクっている間に野次馬の誰かが救急車を呼んだらしく、遠くから“ピーポーピーポー”という普段遠くでしか聞いたことがないサイレンの音が聞こえた。






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