クローバーの起こしたキセキ
「ごめんなさい!!私が、私がわがまま言ったりしなきゃお母さんが倒れたりは・・・」
もう一度謝り頭を下げる。
伊藤先生もいたが、もうそんなことは頭になかった。
ただ、謝らないとという気持ちで、いっぱいだった。
「いいのよ麻美、顔を上げて。
どうせ休もうと思っていたところだし、自己管理ができなかったお母さんのせいなんだから」
お母さんがこう言ってくれた瞬間飛びつきたかったが、先生の“衰弱”が原因という言葉を思い出し自制した。
私たちのやり取りを今まで黙って聞いてくれていた伊藤先生は、困ったように頭をポリポリかきながら言った。
「えっと、一件落着ってことでいいんですか?」
その怒られてしょげてしまった子犬のような表情に私とお母さんは顔を見合わせて笑った。
そして、そんな私たちを見て、さらに戸惑い出す顔を見て、大爆笑になった。
最初は苦笑混じりだった伊藤先生も一緒に混じって笑い、看護師さんが何事かと様子を見に来るまで、私たちはずっと声を上げて笑っていた。
ようやく笑いが収まったところで、伊藤先生は話を切り出した。