クローバーの起こしたキセキ





そう言うことで、と言おうとしたけど、最後まで言えなかった。
ほっぺがじんじんする。
碧海に叩かれたんだ。




「最っ低・・・・・。
あんたなんか、大っ嫌い!」




涙を溜めた目で睨みつける。
そしてそのまま何処かへ走って行ってしまった。




今言ったこと、全部嘘だよ・・・・・。
心友じゃないなんて、一回も思ったことない。





ごめんね、碧海・・・・・。
でもそれでいいんだよ、私と関わるとみんなが不幸になっちゃうんだもんね。
お母さん、お父さん、海原君のお母さん・・・・・。




みんなが私のせいで傷ついている。




モウ、シニタクナッチャッタ





シニタイ





保健室に行こう。
そこになら、カミソリの刃もあるよね。
もしものために、屋上に行こうか。
誰かが邪魔しに来ても、飛び降りて死ねるように。





私は保健室に向かいながらそんなことを考えていた。
誰もいないと思っていたが、保健の先生がいる。





「あら、桜井さん。
昨日は説明してもらったのよね。
もうあんなことはしちゃダメよ」




「・・・・・カミソリの刃、ありますか?」





聞かれている質問をスルーし、逆に質問を返す。
すると、不思議がりながらも刃を渡してくれた。






「え、えぇ。
あるけど・・・・・。
えっと、あったあった。
人に向けちゃダメよ、切れちゃうかもしれないから。
切れたらどうなるか、もちろん知ってるよね?」







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