この手は、わたしだけの特権【短】
「優梨子のことが…。好き、なんだ」

その瞬間、優梨子の目からポロポロと涙が溢れ、凌太はゆっくりとその涙を人差し指で掬い上げた。

「優梨子は、どうなんだ」
「わ、かってるくせに…」

優梨子の目の高さまで屈み込み、視線を合わせると、ちょっと不貞腐れた優梨子の顔が。

「あのなぁ。俺だって、これでも不安なんだよ…」
「…一回しか、言わないよ」
「あぁ。よーく、聞いとく」
「…好き。凌ちゃんが、ずっと好きだった。そうやって髪を撫でるたびに苦しくなって、でも嬉しさもあって…」

優梨子の告白に、凌太はクスリと笑って、ゆっくりと壊れ物を扱うかのように抱きしめ、頭を撫でた。

「優梨子、頭撫でられんの好きだよな」
「うん。凌ちゃんの手は、心地良い…」
「お前、煽ってる?」
「なにが…?素直な気持ちを言っただけだよ」
< 10 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop