私は男を見る目がないらしい。
「だから心配だったのよ。いつも強気な美桜があんなに泣くなんて前代未聞だし」
「……」
「でも大丈夫になったなら良かった。次にいけるわね」
「……いえ……しばらくはもう、恋愛はいらないです。そんな気分にもなれないし」
「自然に好きになれる人がそのうち現れるわよ。ちゃーんと美桜を幸せにしてくれる男が」
「……だといいですけど。でも私に見合ういい男なんて、そんなに簡単に見つかるかなぁ~ふふっ」
いつもの調子を少しだけ取り戻した私は、けらけらと笑いながらそんなことを言った。
朔太郎以上に好きになれる人が現れるんだろうか?という疑問はどうしても浮かんでしまうけど、それはきっと時間が解決してくれる……よね?
「大丈夫よ。美桜なら大丈夫」
「……はい」
私は理子さんの優しさを感じながら、くいっとビールを飲んだ。
炭酸が喉を刺激しながら流れ込んでいくことに、少しだけ苦しさを感じながら。