私は男を見る目がないらしい。
 

「……はぁ。はいはい。これ、田仲さんって人に渡してくれって、営業部長から」

「……わかりました。確かに受けとりました」


差し出された資料を受け取り、朔太郎の視線から逃げるように踵を返す。

なのに、朔太郎は。


「……なぁ、美桜」

「用が済んだなら出ていってください」

「美桜」

「……っ、そんな軽々しく呼ばないでよ……っ!」

「……呼ぶし」


何?何なの?

そんなの、勝手すぎるでしょ!?

朔太郎の方を振り向きキッと睨むと、すっかり笑顔を消してしまった朔太郎の目が私を真っ直ぐと見てきた。

私を簡単に貫いてしまいそうなその視線がすごく痛くて目を逸らしたくなる。

でも、そんなの負けるみたいで悔しい。


「……ねぇ、捨てた女がパニックになってるところ見るの、そんなに楽しい……?」

「は?何それ」

「……っ、もう出てってよ!私はもう……っ」


朔太郎のことなんて、思い出したくなかったのに!

 
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