私は男を見る目がないらしい。
私ははっと気付く。
……三浦さんって朔太郎に会ったこと……、マズイ……!
いつかマンションのエントランスでばったり三浦さんに会ったことを思い出す。
ぱっと三浦さんを見ると、ちょうど私に話し掛けるところだったようで、口を開いた。
「……ねぇ、相原さん。彼って」
「!!!あっ、三浦さん!ちょっと、さっきの案件でお話が!」
「え?」
やっぱり覚えてる!と焦った私は、話なんて何もないのに適当な言葉を並べる。
そんな突然の私の言葉に三浦さんはきょとんとしていた。
ぽろっと三浦さんが余計なことを言ってしまったら、私はこの会社に居づらくなる。
だって、三浦さんは私と朔太郎を恋人同士だと思ってるはずだし、私が捨てられたことも知らないんだから。
「彼氏だよねぇ」とのほほんと言われた時にはおしまいだ。
背に腹は変えられない。
……一応朔太郎にも。
何も言うなよ、と念を込めて目をじっと見た後、私は口を開く。
「……少々お待ちくださいっ!3分で戻りますから!三浦さん、こっちに来てください!」
「わっ、相原さんっ?」
三浦さんの腕をぐいっと引っ張り、私は隣接した分析室に三浦さんを連れ込み、ばたんとドアを閉めた。