私は男を見る目がないらしい。
 

「……はぁ。」

「……あ、相原さ」

「三浦さん。」

「あ、はい。」


私のピリピリとしたオーラに気付いたのか、私の呼び掛けに三浦さんが切れのいい返事をして、ピシッと直立した。


「……覚えてるんですよね?私と“あの人”が一緒にいた時のこと」

「あ、やっぱり彼、そうだよね」

「……そのことなんですけど……他の人には黙っててもらえませんか?」

「え?あ、うん、それはいいけど……彼とは秘密の関係?」

「!そ、そんなんじゃありません!……知られたくないだけです」


……本当は「別れたんです」と言うべきなんだと思う。

でも、今は私の中の変なプライドがそれをさせてくれなくて……「捨てられた」なんて簡単に言えなかった。

それならとりあえずは黙っておいてもらわなければと、私は懇願するように三浦さんを見る。

すると三浦さんがふっと気が抜けるように笑った。


「……そっか。うん、安心して。誰にも言わないから」

「……お願いします」


良かった……。

私は1つ肩の荷が下りた気がして、ふぅと息をついた。

あの時見られたのが三浦さんで良かった。

きっと三浦さんなら、口止めをちゃんとしておけば、言いふらすなんてことはないだろうから。

 
< 161 / 278 >

この作品をシェア

pagetop