私は男を見る目がないらしい。
朔太郎が田仲さんに向かってにっこりと営業スマイルを浮かべ、口を開く。
「……それはご想像にお任せしますよ」
「ははっ!うまいな~営業らしい模範回答だな」
「……」
朔太郎の答えに私は少しだけホッとした。
いやでも、朔太郎がここにいる時点で、何の解決にもなってはいないけど。
っていうかこれ、本当にどういう状況なんだろう?
今の会話からして、朔太郎は田仲さんに「高校の頃のクラスメートだった」ってことしか言ってない、ってこと、だよね?
でも……どういうつもりでそんなことを……。
そんなことを言っても、何も意味なんてないはずなのに。
朔太郎は何がしたいの?
「ま、親しい人間がいた方が勉強もしやすいかもな。さっきも言ったけど、これからは相原さんにいろいろ聞くといいよ。彼女、結構バリバリ仕事できるから。俺らも認めてるんだよね」
「は!?何言ってるんですか!?」
「そうそう。こんな風に先輩に食らい付くこともできるし。あ、そこにいる三浦さんにもしょっちゅうギャンギャン言ってるし。ね、三浦さん」
「……い、いやぁ~あはは」
いつの間にか私の背後に立っていた三浦さんが後頭部に手を回して、困ったような表情で笑う。
そんな三浦さんに“笑ってないで、フォローしてくださいっ!”と私が思いっきり三浦さんを睨み付けた時、「あ、そうですね」という朔太郎の声が耳に入ってきた。