私は男を見る目がないらしい。
私はそう決心して、くいっと理子さんの腕を引いて、理子さんに話しかける。
「理子さん、送りますね」
「えー、いらない!一人で帰れるし!」
「いや、でも……、あっ、理子さんっ」
食い下がろうとすると、理子さんがイヤイヤと言うように、掴まっていた私の腕からふらりと離れてしまう。
慌てて理子さんに手を伸ばしたけど、すでに時遅し。
理子さんは前から歩いてきた人にどんっとぶつかってしまった。
「いったぁ!」
「わ、理子さん!大丈夫ですか!?」
「あ、すみま……って、あれ、理子先輩じゃないですか。こんなところにいたんですか」
「!!!」
「あ~小西だっ!」
「突然電話で変なことを聞いたかと思えば、呼び出すから何かと思ったら……酔ってたんですね。ていうか、どれだけ飲んだんですか」
小西小西~と連呼する理子さんの腕を掴んで見下ろしているのは……朔太郎だった。
久しぶりに見る、スーツ以外の格好だ。
何で朔太郎がここに……っ!?
何が起こったのかわからなくて呆然と理子さんと朔太郎を見ていると、その視線に気付いたのか朔太郎が私の方をふと見た。