私は男を見る目がないらしい。

　

もしかして、私と朔太郎を会わせるために仕組んだってことだろうか。

でも、私と朔太郎が付き合ってたっていつから気付いてたの？

私は朔太郎が元カレだったなんて、一言も言ってないのに。

もしかして朔太郎が言ったんだろうか？

いや、でも、朔太郎は理子さんと一緒にいる私を見て驚いてたから、私と理子さんが仲がいいことは知らなかったはずだ。

じゃあ、何で？……やっぱり千里眼？

やっぱり千里眼を持っていると疑わざるを得ない理子さんは「あんたたち、似た者同士よね。ポロっと相手の名前を言っちゃうところとか」と言いながら、朔太郎の服をぐいっと引っ張って、私の目の前まで連れてきた。


「命令よ。ちゃんと二人で話し合いなさい。小西はちゃんと全てを美桜に教えてあげなさい。美桜、あんたのこと、全然わかってないわよ？」

「……はい。すみません。自分のせいです」

「そして美桜。あんたは小西の話をちゃんと聞いて、素直な気持ちを口に出しなさい。でないと許さないから」

「……理子さんっ、でも私……っ、もう」

「でももくそもないのよ。ちゃんとお互いの話を聞いて、本音でぶつかりあわないからこうなるの。ほんと、そんなことも教えないとわからないなんて、世話のかかる後輩たちね」

「！」


理子さんの鋭い視線とぐさっと刺さるような言葉に、私は怯んでしまって何も言えなくなってしまう。