私は男を見る目がないらしい。
徐々に部屋に響き出す水音に、身体の奥がさらに熱くなっていく。
そんな甘い時間がゆるりゆるりと続く。
「……んぁ……っ、はぁ」
だめ……頭の中、真っ白。もう、何も考えられない……。
……ただ、それが、欲しい。
「朔……っ、も……っ」
「美桜……」
朔太郎を求めるように名前を呼ぶと、朔太郎から切ない声が聞こえてきて、欲しいものがもらえると思った時。
私の身体に触れていた朔太郎の動きがぴたりと止まった。
「……あ。ダメだ」
「へ……っ?」
「アレ、昨日全部終わったんだった。わりぃ」
「……はぁ!?」
「ごめんごめん。美桜がかわいすぎるから、つい。飯食って買い物行こ」
「ちょ……っ、」
ふんふんと機嫌良さそうに鼻歌を歌いながら朔太郎はベッドを抜け出し、寝室を出ていく。
中途半端に放置された私はその後ろ姿を呆然と見ることしかできなかった。
……いや、ありえない!
何のプレイだよっ!