私は男を見る目がないらしい。
 



「なぁ、美桜。さっきから何怒ってんだよー」

「知らない。」

「はぁ?意味わかんねー」


横を歩く朔太郎からぶぅぶぅと聞こえてくるけど、私は全部無視していた。

それもこれも、さっきの出来事のことで、だ。

……アレがないなら襲うなっつーの!

自分はいいかもしれないけど、中途半端にもやもやさせられるこっちの気持ちも考えてほしい。

朔太郎は何で私が怒ってるのかわかってないみたいだけど、ちょっとは反省しろっ!

相変わらず私の都合を考えてくれない朔太郎。

やっぱり私のこと何もわかってないよな、と私は完全に呆れていた。


「早く美桜といちゃいちゃしたいんだけどなー」

「……。」


道に転がっている小さな石を朔太郎はコツンと軽く蹴りながら、そんなことを溢す。

……この発言は置いといて……せっかく一緒に買い物しに来たし、そろそろ許してあげようかな……。

私だってケンカがしたくて一緒にいるわけじゃないもん。

二人で楽しく過ごしたい。


「……朔太郎」

「んー?機嫌直った?」

「……夜ご飯作ってくれるなら、許してあげる」

「え、そんなことでいいのか?いや、っていうか、何で怒ってたのかよくわかんねぇけど……美桜の機嫌直ったんなら何でもいいやっ。何食べたい?」


勝手に怒っていた私の機嫌が直ったとわかると、朔太郎は嬉しそうな笑顔を浮かべて指を絡ませるようにして手を繋いでくる。

そんな姿に、朔太郎って犬みたいだよな……と思ってしまう。

何か、よしよしーって頭を撫でたくなる。

後で撫でてあげよう。

 
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