私は男を見る目がないらしい。
 

「!」


朔太郎は私をじっと見た後、ちゅっと軽くキスをし、私の唇を食んで離れた。

一連の動作が流れるようなもので、あっという間すぎて私は何をされたのか、すぐには理解できなかった。

……って。

今、さりげなくキスした……?

っておい!!

私はずさっと朔太郎から距離を置き、口に手の甲を当てた。


「!なっ、何すんのっ!」

「ん?何って、おはよーのチュー。」

「~~っ意味わかんないっ」

「何で。いいだろ?恋人なんだし」

「……!」

「足りなかったなら、もう一回しよっか?」

「しない!!!」

「ちぇっ」


私の拒否の言葉に朔太郎がぶうと唇を尖らせて拗ねる表情を見せた。

あぐらをかいた朔太郎は「つまんねー、つまんねー」と連呼しながら、身体を前後にゆらゆらと揺らし始める。

……待ってよ。

朔太郎の中では本当に、私と恋人同士に戻ったってことになってるの?

ってことは何?朔太郎は同窓会マジックにかかって、あんなことを言ってきたわけじゃないってこと?

本当に私とよりを戻したと思ってるの?

……本気で?

……私はその言葉を信じても……いいんだろうか?

 
< 42 / 278 >

この作品をシェア

pagetop