私は男を見る目がないらしい。
 

「ねぇ、朔……」

「いや、でもさ。ほんと、夢じゃなくて良かった」

「え……、っ!?」


朔太郎はそう言って私の手を握り、にっとはにかむように笑った。

その笑顔は本当にほっとした、という感じで。

その表情と、嬉しそうに私の手を触る姿に胸がきゅっと締め付けられる感覚がした。

……そのギャップはズルいよ。

何でそうやって私を戸惑わせるの?

これ以上、惑わせられたら、私……

そう思いつつも朔太郎が何に対してほっとしたのか気になってしまって、朔太郎の行動には何も言わず、疑問を口に出した。


「……ねぇ、夢って何?」

「うん。美桜との再会とかいろんなことが夢落ちだったらどうしよう、って不安が大きかったみたいでさ、夜中に何度も目が覚めた。不安で寝れないなんて、情けないけどな」

「……」


眠れなかった……?

だから眠そうにあくびをしてたの?

 
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