恋物語。



―12月31日、大晦日。


今年も残りわずかとなっていた。そんな今日は…聡さんのお家にお泊り。
先週(聡さんのお誕生日兼クリスマス)の埋め合わせということでそうなった。


だから…?なの…?




「聡さん…いつまで、こうしてるつもりですか…?もうすぐカウントダウン始まりますよ…?」


リビングのソファに並んで座ると、すぐに彼に抱き締められてずっとそのまま。
それに、つけていたテレビからはカウントダウンの用意をするような声が聞こえてくる。



「いいの、今日はずっとこうしていたいから。嫌なの…?」



「//……嫌じゃ…ないです…」


耳元でそう言うから拒否なんてできない。



「じゃあいいじゃん。」



「……」


そう、まとめられてしまうと…本当に何も言い返せない。




私…相当ハマってしまったのかな…?聡さんに…。
もう抜け出せない所まで来ているのかもしれない…。




《あ、もう10秒前ですね!10、9、8、7…》


すると、テレビからそんな声が聞こえ始めた。



《6、5、4、3、2、1…明けましておめでとうございまーす!!》


パーン!と、くす玉のようなものが割れて金やら銀やらのカラーテープがテレビの中で舞っていた。



「聡さん!明けましておめでとう……っ…!!」


言いながら彼に振り返ると同時…唇を奪われた。



「ん…」


彼は私を捉えて離さない。それに応えるだけで私は必死だった。



「ふっ…聡さ…っっ…」


わずかな隙間から名前を呼んだって聞いてはくれない。



“こんなに激しいのは…いつぶりだろう…?”
ふと、そんなことを思ってしまうぐらい…―。





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