きみの、手



「…あ…」

「……」



本人もきっとわざとではないのだろう。しまった、と言いたげなその表情に咄嗟にしてしまったのだとさとる。

わかっていても跳ね除けられた手は、やっぱり少しショックだけど



「あはは、大丈夫ですよ」



彼の優しさを知っているから、水を拾って笑ってみせる。そんな私に先輩は少し驚いた顔をした



「…何で笑うんだよ。普通、不快になったり怒るだろ」

「へ?そうですか?」

「そうだろ。お前やっぱり普通じゃねーな」



その反応から、これまで同じことをして周りにどんな反応をされてきたのかがわかった気がする。

でも私は、少し拒まれたくらいじゃ落ち込まない。離れない。

だってあなたのことが好きだから。あなたのことなら何だって、受け入れたいと思うから。



触れられない指先がもどかしいけど、大丈夫



「はい、普通じゃないので先輩のこと簡単には諦めません」



そしてえへへ、と笑いまたペットボトルを差し出すと、彼は笑ってそれを受け取った。



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