きみの、手



その日から、私は毎日彼にお弁当を作るようになった。

おにぎりやハンバーグなど手で触れて作った感じがあるものはダメ、焼いただけや炒めただけの感じのものは大丈夫、という曖昧な基準のところからやはり気持ちの面が一番大きいのだと思う。

チャーハンや野菜炒め、煮物…毎日様々なものを作る私に先輩は『普通』と言いながらも食べてくれて、そのこと自体が何よりも嬉しい。





『ビビ:今日は酢豚にチャーハンにしてみた!』

『トモ:すごいね、毎日お弁当作るなんて』

『ビビ:でも全然苦じゃないの。寧ろ毎日楽しい!』





彼の為を思って、考えて作る料理。明日は何を作ろう、どう作ったら食べられるかな、そうあれこれ考える日々は何気なく過ごす毎日より断然充実していて、楽しい。

それとともに、いつも冷たい彼が時折見せてくれる笑顔が嬉しい。

もっと笑顔が見たい。



様々な表情を見る度、近付けている気がする。




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