きみの、手
潔癖症、だからあんなに迷いのない断り方だったんだ。…ってことはやっぱり、私自身を嫌いなわけではないわけだ。
「分かっただろ?だから俺のことは諦めて…」
「わかりました。じゃあ、少しずつ仲良くなりましょう!」
「…は?」
元気良く言ってみせた私に、城田先輩は意味がわからないといったように首を傾げる。
「私頑張りますから!潔癖症…は簡単には治らないだろうから仕方ないとして、それでも先輩が傍にいていいって言ってくれるよう頑張ります!」
「…おい待て。話聞いてたか?だから俺は、お前と付き合う気にはならないって…」
「そんなの分からないじゃないですか!とにかく、まずは私を知ってください!それから答え出しても遅くないはずですから!」
「……」
潔癖症?興味がない?そんなことでは私の気持ちはは揺らがない。
そう力強く言う私に、その嫌そうな顔は呆れ顔となり深い溜息をついた。
「…そこまで言うほど、俺のどこがいいのかねぇ」
恐らくこれ以上拒むのも無駄だとさとったのだろう、折れたように呟いて屋上にあるベンチに座る彼に私は続くように隣に座る。