きみの、手
「というわけで、カレーを作ってきました!」
「……」
翌日、同じく屋上のベンチの上で自信満々にお弁当箱を開ける私にその顔は固まる。
「…何でカレーなんだよ」
「手作り感のないものをと思いまして!市販でも作ってもどれも味は大差ないですし、具材も割と均等に切って…あっもちろんお弁当箱も新品です!」
「……」
昨日あれから色々と考えどれなら食べられるだろうと頭を悩ませた結果、たどり着いた答えはカレー。なるべく手作りっぽくないようにとあれこれ工夫し作ってみた。
「わざわざ作ってきたのか?」
「はい!ちなみに一人暮らしなので私も今朝も今夜もカレーです!」
「……」
そこまでするかよ、そう言いたげに呆れて笑う。けれど彼はまじまじとカレーを見て、私の持ってきた新品のスプーンを手に一口すくって食べた。