好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―

「つぐみちゃんって表情豊かだよねー」

「なっ……。
ていうか、離れるわけにはいかないって何?」

「んー。
だって少しでも離れたらつぐみちゃん誰かに掻っ攫われちゃいそうだしねー。
水田クンみたいなのに」


ヘラヘラ笑いながらそう言う瀬戸。

……違う。

本当の理由はきっとそんなことじゃない。

何か別の理由が瀬戸にはある。

だから急にベタベタと……。


「でさー、お昼のことだけど。
どこで食べるの?」

「どこって……天気良かったら屋上って亜美と昨日話したけど……。
……本当に来るの?」

「行く行く。
ヒロも一緒にー」


……広里君、とんだとばっちり。

向こうの方で別のクラスメートと話している広里君に心の中で手を合わせる。


「……あとさ、平野」


突然声色が変わった瀬戸の表情を見ると、さっきとは変わって真剣な顔をしていた。


「何……?」

「何かあったら、俺に言ってね」

「何かって?」

「何かは何か。
変わったことがあったら言って。
絶対だからね」

「う……うん」


よく分からなかったけど、瀬戸があまりにも真剣だから頷くほかなかった。
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