紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~


「蓮っ!!!」


「で?瀬谷、なんで綾香にキスなんてしたんだ?」



イライラつく気持ちを隠す事なく低く唸るように瀬谷君に言う蓮に、私は嬉しい気持ちでいっぱいだった。


うん、瀬谷君にキスされたからそんな事を思っている場合じゃないのは分かってるんだけどね。




それでも…、


久しぶりに蓮の温もりを感じる事が出来て、嬉しすぎてどうしたらいいか分からない。



私に呆れてたんじゃなかったの?


こんな状況下にも関わらず、蓮にそう尋ねたいのに身体が震えて何も言えなかった。




「………自分の気持ちに全く気付かず、グチグチ悩んでるコイツを見てたらイライラしたんだ」


「だからってキスなんて、軽々しくすんじゃねぇっ!」


「…でも、そのおかげで、分かったんじゃないか?」



この言葉は、私に向けたものなのだろう。



頭を上げ、クルリと後ろを振り向いた。


そこにはさっき私にキスしてきたとは思えない程、冷酷な瞳で私を見つめている瀬谷君がいた。



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