紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~
「………」
「………」
見つめ合う、良牙と私。
心の中で慌てふためきながらも、何事もなかったかのように良牙に首を傾げて見せた。
何でしょう?
そんな私をジーッと見ていた良牙が急に、ニタリ…と嫌な笑みを浮かべる。
「まーた綾香、イヤらしい事でも考えやがったな?」
「そ、そんな事ないよ?」
「俺の鼻はごまかせねぇんだよ」
「むぅ…」
ちょっと思い出しただけなのに、そんなに匂うもの?
鼻をヒクヒク動かして自分の周りを嗅いでみたけど、…よく分からなかった。
狼の鼻って相変わらず凄いのね…。
もう何も言うまい…と、口を閉ざす事にした。