ヤクザの家族になっちゃった!?

迷子




朝食を済ませ、外に出る。

朝早いからか、海にはほとんど人がいなくて、

ほぼ貸しきり状態だった。

っていっても、私たちの人数が多すぎて、

わー!

貸しきりー!

ってほどの感動はないけどね。


昨日の宣言通り、龍之介さんと私は

午前中、ずっと一緒。


みんな、私たちに話しかけることをせずに、

二人きりの空間にいるみたいだった。

あーぁ、こんな幸せな空間なら

ずっと続けばいいのに

と思う反面、

コウ達が私に話しかけなくても平気なんだなぁ…

と思うと寂しくもある。

まぁ、周りの大人が気を使ってくれてるんだろうけどね。

そう思いながらかき氷を食べてるコウ達をガン見する。

龍之介さんはそんな私をじっと見てから

どこか歩き出した。

一人になった私に美幸が手を振ってくる。

私も笑顔で振り返すと

コウと幸子も一緒になって手をふってくれた。


まぁ、片手にあるかき氷は絶対に離したくない様子で

ガシッと捕まえてるけど。

そんな光景に少し笑えた。

みんなと違って水着の上にパーカーを羽織ってる私は

日向にいることに限界を感じ、

日陰へ移動した。




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