謝罪のプライド

「ちょ、浩生!」

「誘ってるとしか思えねぇだろ。露出の多いドレスで胸に抱かれたんだぞ」

「ちょっと待って。今は違うでしょ、しんみりしてたとこでしょ。いい雰囲気だったのに」

「諦めろ」


冷たく告げるその口は、温かい温度で私の唇に触れ、そこから体温を送り込んでくれるみたい。
サテンのドレスはしゃらりと滑らかな音を立てベッドの下に落ち、外気にさらされた私の肌を彼の掌が代わりに覆う。


「……服もシワになるし」

「それも諦めろ」


拗ねた言葉も、浩生の手にかかればあっという間にいなされて、熱を伝える唇は、やがて私の全身を熱くとろかせていく。

この先きっと何度も喧嘩するだろうけど、こうして私は浩生に治されてしまうんだろう。
でもそれでいいか、と思える。


誰より尊敬していて

誰より頼りにしていて

誰よりも愛おしい。



彼は私のカスタマエンジニアだもの。



【fin.】
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