謝罪のプライド
4.迷う女

 週末は恋人同士にはずっと一緒にいられる至福の時だ……と言いたいところだけど、浩生という男は無愛想な割に交際範囲が広い。
やれ大学時代のサークル仲間だの、CE仲間と飲み会だの、一日中私と一緒に過ごしてくれる週末なんてほとんど無い。

その日も日中は大学時代のサークル仲間とフットサルに興じ、その後の飲み会もかかさず出席。
私はふてくされながらベッドに入った。


私はよく夢を見る方だ。その日も学生時代の友達とグルメツアーに行っている夢だった。
学生時代の私は社交的で、よく友達と旅行を企画してはいろんなところへ行った。
今は仕事に追われて余裕もなく、企画を練ることすら億劫になっている。
疎遠とまでは言わないけど、当然友人と会う機会も減っている。
浩生みたいに要領よく両立できるのが羨ましい。


「初音」


楽しい夢の中に、男の声が響く。
空耳かと聞き流していると体を揺すられ、否応なしに現実世界に引き戻された。


「んー、眠いよ。いい夢見てたのに」

「眠いじゃねぇよ。ただいま」


目を開けると、浩生が覗きこんでいる。今日は結構飲んだらしく、目の周りが赤くなっていた。


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