桜雨、ふわり。
「オレ達、いつから勝負してたの?」
「……だって、森崎くんが隠れるから、かくれんぼのつもりなのかなって」
ゆっくり起き上がった森崎くん。
それから、あたしを覗き込むように見ると、可笑しそうに言った。
「なにそれ。別に隠れてるつもりないよ。 オレは」
「……」
茫然としていると、森崎くんが傍に放り出していたスケッチブックを開いた。
わ、笑った……。
森崎くんが……笑った!!!
木々の隙間から、キラキラと舞い落ちるストロボの群れ。
その中で森崎くんがあたしにくれた、はじめての笑顔。
目じりを下げて、ちょっとだけ呆れたように肩を揺らす彼を見ていたら、胸がぎゅーって締め付けられた。
森崎くんから目が離せなくて。
目が合えば、ドキドキして。
入道雲が広がる、青い青い空
そこから運ばれてきた夏の風が、あたしに恋を運んできたんだ。