桜雨、ふわり。
ドクンドクンって胸が鈍く鳴る。
なんなのかな、コレ。
心臓が、変だ……。
森崎くんが、女子と歩いていた。
それだけなのに。
苦しくて、胸がはちきれちゃいそうだ。
あの子、知ってる。
森崎くんと同じ、美術部の子。
森崎くんと同じ、何度も賞をとってるようなすごい女の子。
なんのとりえもない、あたしとは全然違う子だ。
「……」
心の中に、重たい鉛をつけられたみたい。
喉の奥に、なにかをたくさん詰め込まれたみたい。
あたしは、しばらくその場所から動き出す事が出来なかった…………。