王子様なDarling
「じゃあ私のせいでアイコさんと先輩は別れちゃった?アイコさんが泣いてるのは・・・」
「違う」
ギュッと先輩が痛い位抱きしめてくれる。
先輩の匂いをかいだら、余計に涙が溢れてくる。
自分の存在のせいで誰かが傷つくなんて、思ってもなかったから。
「美依。俺とアイコは美依と出会う前かもう終わろうとしてた。アイコは俺と付き合いながらも、男と飲み行けばそのまま男の家に行ったりクラブに出入りしたり・・・正直付き合ってたなんて形だけだった」
「・・・」
「その時俺は美依と出会って、本当に初めて俺の彼女にしたいと思った。俺以外に触れて欲しくない。俺以外に笑って欲しくないって・・・」
「そしたら付き合ってるアイコなんて、本当に形だけの彼女って事に気づいた」
「でも、いまでもアイコさんは・・・」
香奈子さんは、沢山泣いてるのを見たって言っていた。
「あいつは、きっと悔しかったんだ。俺がお前に心底惚れたのをみて、単にプライドが傷ついただけだ」
「本当に?アイコさんは先輩を」
「本当にお互い愛し合ってたなら、他の男と寝たりしない。違うか?美依は俺と付き合いながら他の男と遊んだりするのか?」
「しないっ!私が一緒にいたいのは先輩だけだもん!」
ギュウっと先輩の背中に抱きつく。
「言えなかったのは正直怖かったからなんだ」
「?」
付き合って初めて、先輩が弱音を吐く。
「俺に形だけでも彼女がいるって美依が知ったら、俺と距離を置いてしまうって」
たしかに、先輩に彼女がいると分かったら・・・
「それだけは避けたかった。どうしても・・・美依・・・お前が欲しかった」
真顔で見つめられて、そんな甘い言葉を吐く。
「お前が望むなら、もう一度ちゃんとアイコと話す。今度は逃げないでお前のこと話して分ってもらえるまでちゃんと言うよ」
「先輩」
「中途半端なことして、傷つけてごめん。だけど裏切ったり、嘘をついたりしたつもりはなかった。俺はお前と出会ってからお前しか見えてなかったから」