深海魚Lover
口に出さずとも、貴方の想いが私には見えた。

見つめ合う視線、そうっと近づく貴方の顔

瞳を閉じると、貴方の唇が触れた柔らかな感触だけが私の唇に残る。

それはとても甘いキス

交わす度にとろけてゆく私の体、どんどん込み上げてくる熱っぽさ。

無我夢中で求め合う唇から漏れる熱い吐息に重ねた痛いぐらいのキス。

それはいつまでも続く……

めくるめく時、色めく世界へと扉が開かれる。

----バンバンバン

その時を遮ったのは、夜遅くに玄関の引き戸を誰かが強く叩いた音。

その音は、私達を現実の世界に引き戻す。

離れる二人。

「こんな時間に誰だ?

 俺が見て来る
 スガちゃんはここに居て」

「はい」

敷かれた布団に座ったままの姿勢で、私はガッカリしてる。

それは邪魔が入り場が白けてしまったからという理由ではなく、京次さんが私のことをスガちゃんとそう呼んだから。
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