深海魚Lover
「タオルくれるか?」

「はい……ふぅー」

何故だか分からないけど、この胸のドキドキはどうしたって止まらない。

「ふぅー」

何度深呼吸をしてもおさまらない……

「どうした?」

「いえっ!お茶飲まれますか?」

「ああ、水ある?」

「はい、今すぐ」

「メイ、何も今すぐでなくていい
 
 それとも
 そんなに俺と二人きりが嫌か?

 昨日のこと気にしてるのか
 抱きしめたこと」

「いえっ、別に気にしてません!」

「……そう」

「はい

 イズモさん、私、あなたのこと
 嫌だなんてことありませんから」

「そうか」

貴方の唇からホッとして漏れる吐息。

「そのぅ、ケイジさんにも
 話してませんから」

「利口でよろしい

 メイ、心配しなくても
 あんなことは二度としない
 
 あの……」

あの時はどうかしていただけのことで、おまえのことなど何とも思っちゃいない。

そう続けるはずの言葉を出雲は飲み込んだ。
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