深海魚Lover
「何だい、もしかして君はまだ過去のことを
 気にしているのかい?
 いつまでも過去に縛られる必要はないよ

 私達が知る先生、君は日本文化を誰より
 も大切にしている紳士

 その貴方が書く字はそれはそれは素晴らしく
 堀之内先生に無理を言ってご紹介して頂いて
 本当に良かったといつも話しているんだよ」

生徒である華子に奥さんも、京次に向かってにっこりと微笑みかけてくれる。

「それはありがとうございます
 
 そう言って頂けてとても嬉しいですが
 私は何も過去に縛られているわけでは
 ありません」

「縛られていない、それは……
 
 君はもしかして戻る気なのかい
 闇社会に!?
 
 まさか、今の地位や名誉
 その全てを捨てる気なのでは」

「さあ、それは私自身にも分かりません

 ただ、今後必要とされる場面があれば
 もしかしたら私は……それも致し方ない」

「どうしてそんなことが言える?」
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