深海魚Lover
「絢、お前が泣いても俺は
 何もしてあげられない

 それに俺にだって
 付き合ってる女ぐらい居る」

「うそっ!!」

「嘘じゃないさ

 危ないことに巻き込みたく
 ないから隠してるだけ
 
 そう言うわけでお前の言葉
 その全部を忘れてやる
 
 だからお前も忘れろ!」

「そっか……

 ケイ兄まで……」

「おいっ、聞いてるのか?

 絢?」

「……もういい

 他の人探すから」

「絢!」

「忘れて」


ここから君は、少しずつ壊れて行った。

うまく事が進まないことに苛立ち、何もかもが自分の思い通りだった幼い頃に思いを馳せる。

そして、こんな思いを抱かざるを得ないのは全て自分の境遇のせい……

外泊したかと思えば自分の部屋に閉じこもる、そんな日々の繰り返し。

笑顔を見せることは無く、言葉さえ話さなくなった。
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