深海魚Lover

以前のように明るくなったこの家で過ごす日々には、いつか終わりは来る。

いつか……


車を停めて降りる俺の元へと駆け寄る、俺の大切なものたち----

「キョンさ~ん」

「ケイジさ~ん

 おかえりなさい」

「ただいま

 ほらっ、ジュンジ
 いつものお土産もらったぞ」

「わぁーい、なにかなぁ」

ケーキの入った袋を受け取った潤司はさっそく中身を確認している。

そんな潤司はとりあえず今だけ放っておいて、俺は君の手を取り引き寄せるとこの腕に抱きしめた。

黙ったまま、ただただ強く抱きしめる。

「わっ、驚いた

 ……

 ケイジさん、どうかしましたか?」

「いやっ、ただいまのキスは?」

「えっ!それは、今はちょっと!」

「どうしてだ?」

頬を赤く染めながら、君が指差した方向に見えた人影。

「ああ、お邪魔虫かい?」
< 220 / 410 >

この作品をシェア

pagetop